Mostly, this is diary.
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fra sunset

一体どのくらい悶着を続けていたのだろう。
ああでもない。こうでもない。
離れて座っていたが、身元不明男の左に赤い髪のやはり濃い顔立ちの女がいた。
「じゃあね、従兄弟さん。バイバイ」
といったとき、彼女は人でも食べるのかと言うくらい大きい口を開けてこっちを見た。
大げさだな、外国人のリアクションて。

同級生はこんな人間だった...
名前はこうだった...
誰かと連絡をとっているか...
どの辺りに住んでいた...
どんな話をしたか...

階段に腰を下ろしたまま話す男は話していた。
私はその前に屈み込んで一生懸命話した。
私はパスポートなどをみせて身元も証明した。
ところが身元不明の彼は何も見せようとはしない。
身元不明の彼は何も明確に話そうとはしなかった。

結局、この怪しげな人の素性はわからない。
観光地の詐欺かな。
何か逃れる良い言い訳はないかな。
何度もじっと顔を見た。
どうなんだろう。
確証が持てないな。

そうだ!
昨日見かけた2人
今日は見かけないから、昨日もう帰ってしまったんだろうけど...

「...一緒に来てる人がいるから、もう行くね。なんかよくわからないし。」

「誰と待ち合わせするんだ。知り合いなんかいるのか。」

身元不明男は面倒臭そうな表情で私にいう。

「いるよ。昨日街で会ったもの。しかも2人。さ、待ち合わせしてるからもう行かなくちゃ。」

「案外、今この場所にいるのかもね。」

なんだか階段を上がった門の辺りから声が聞こえてきた。

「どうしてわかったんだ?」

え? また日本語。
でも誰も目の前に出てきたりしないし、視界に入ってこない。
身元不明のフランス人にぐいっと腕を捕まれた。

「彼について行け。」

身元不明男の視線は私を飛び越えて後ろを見ている。
振り返るとベルサイユに連れて行ってくれるといった男の人はそこでじっと話が終わるのを待っていた。
驚いて待ち人に声をかける。

「...え、ずっと待ってたの? 手間取ってごめん。行こう。」

ヨセフというやはりアラブ系の彼は人の良さそうな顔をして笑って、戯けて両腕を大きく開いて見せた。
しかたないさ。
身元不明男をその場に残して私達はその場所を立ち去った。
彼について行けってどういうこと。
不思議の国のアリスなら、ウサギについていけってのもありだけど。

「ねえ、腕にウサギのtatooなんてある? ないよね。」

アラブ系の彼は素直に腕を捲る。
そして不思議そうに首を振った。
マトリックスじゃあるまいし、無いわよね。
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