Mostly, this is diary.
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あまりにお客さんがこない。
しかも、バイトは調子に乗って友達の男の子と店で騒いでいる。
マスターは厨房の奥から声を書けた。

「...(今日は)帰っていいよ。」

「え? いいんですか?」
ずっと黙っていたマスターが急に声をかけてきたので、ヒヤリと背中に冷たいものを感じた。

「それはもしかして明日から来なくていいよって事ですか?」

どうやらそういうわけではないらしい。
ま、帰れというのに踏みとどまっても仕方ない。
実際バイトどころじゃないくらいはしゃいでいた。


「あ、ではお言葉に甘えてそうさせていただきます。私も大人になったらそういう気配りのできる人になりたいと思います。」

昔、鈴木アナウンサーの『気配りのススメ』という本があった事を思い出す。
いやあ、マスター気が利くな。

言うだけお礼をいうと、さっさと上着を来て帰宅を決め込む。
お話ももっとしたいし。

「お先に失礼しまーす!」

「おい、いいのか?!」

「いいんじゃない? 『帰っていい』っていったのは私語に対する注意かも。でも、現にお客さんこないんだしいいんじゃない? いいのよ。」
別に首になったって別のバイト探せばいいんだし。
「俺もその方が都合がいい。」
彼は軽く頷いた。

懐かしいお友達と私は連れだって店をでた。
「送っていくよ。」
思いがけない言葉に少し驚いた。

「え、だって何でここへ来たの? 車? 電車? 帰りはどうするの? 」

「いいから。大丈夫だ。余計な心配はするな。」

そか。
恥じかかせてもいけないし、小学生じゃないんだから余計な事は言わないでおこう。

「...あの~。でも、ひとことだけ...?」

「なんだ?」


「ここ電車1時間1本だから乗り遅れないでね。」
フォローの仕様がない事実。
だってここ凄い田舎なんだもん。

「わかった。覚えておく。」

それでも一応店は国道沿いだった。
周りを見て、彼は言う。

「...あまり人通りの多くない道がいいな。」

あ、そうか。
わかる人にはすぐ分かっちゃうもんね。
しかも着てる服、目立つし。
普通の友達のつもりじゃいけないのかも。
少し寂しい気がした。

「...ん。わかった。じゃ、少し遠回りになるけど、いい?」

「うん。」

自分がうつ向き加減になってしまうと、彼は覗き込むふりをする。
この子、女の子に不自由しないんだろうな~。
まあ、仕方ないさ。
そういう世界の人だから。
逆にもてなきゃ商売上がったりだもんね。
私の足は自然に家に向いていた。

「...あのね。何かずっと会わなかったのに、おかしな話なんだけど。今、あらためて大人になっちゃったんだな~って、遠い存在になっちゃったんだな~って思ったんだ。」

「今、近くにいるのに?」

「うん。だからおかしいって前置きしたでしょ?」

「...おかしいな。」

「うん。......」

....何を話そう。
やばっ、店出るまで何も考えなかった。
会話をしなければ!
せめてツマラナイっておもわれないように。

焦りは無用だった。
実際、話題はいくらでもあった。
驚いた事に、相手が聞上手らしくて昔からの友達みたいにしっくり馴染んで話がしやすかった。

「...付き合っているやつはいるのか。」

「いや、いないよ。何で? それって...」
笑いがこみあげる。

「むしろ、私が聞くべきなんじゃない?私はいないから。」

「(私はのところ)やたらに力いれて言うな。アメリカでは?」

「いないんだもん。...う~ん。でも、アメリカで迫られたことはある。でも何もしなかったな。
あ、でも向こうはキスがご挨拶だからそれは別。」

「別?」

「そう。ご挨拶のキスは別。」

「俺はお同じだと思う。」


「日本はね。でも欧米は、おはよう~っ、ちゅ。久しぶり~、ちゅ。が、普通に挨拶だから。」

「...誰とでもするのか。」


「まさかぁ。仲良しだったり、クラスメートだったり。近しい関係でなきゃ挨拶しないよ。あと微妙に人種の背景もあって...」
説明しにくいな~ どうしよう。
考えながら上を見上げる。
話しながらも2人で南に歩いていく。

「何だ。その違いは。早く言え! 勿体をつけるな?!」


「勿体なんかつけてないよ。ん~...アメリカはあくまでも軽い。フランスの女性は軽くチュッ!アラブ系フランスはブチュッとねちっこく食い付かれるような。ラテン系はベロベロ舐めてるのか?って感じ。」

「...よくわからん。やってみろ。」

「えー? やれって言われて出来るようなものじゃないよ。大体相手がいなければ、全然雰囲気でないじゃん!」

「俺がいる。」


「いやそうじゃなくて、相手が外人で初めて挨拶でキス出来るの。わかる?? 日本人は挨拶でキスしないでしょ? 自分は出来るの?」

「やったことないから出来ない。お前がやれ。」

「や!? だからぁ。まず、相手が挨拶してくれると初めてできるって言うか...。」
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