Mostly, this is diary.
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月夜。
小学校は5年生から新しい学校に通った。
親が住宅を新築し、通学区が変わったためだった。
前に住んでいた医院併用住宅は借り物であった。
中学校は1つだから、否応でも昔の同級生にはそこで会う。
のどかな話だ。

秋の月夜はいい。
なんだかまたどうも、お月様だか狐だかに誘われて月夜に外に出たくなった。
何が好きかって、昼間のように明るい夜は満月に限る。

何でかわからないけど、台所のボールになみなみ水を張った。
ガラスのコップを持って、これにも水を入れた。
ついでにガブガブ水も飲んだ。

ぷは~っ。
さてと。

何を考えたか、ボールとコップを持って自分の部屋に戻った。
まだそんなに遅い時間じゃない。
月はすでに東の山から昇っていた。

以前の家には2階というものがなかったのだが、今度の家は2階がある。
ここから見る月は4メートルほど地面から遠ざかるためか、月が大きく見えた。

「いやあっ。良い月夜だなあ。」
南向きの私が使っていた部屋は、東と南に窓がついていた。
真新しいカーテンにはボリュームがあった。
まとめて窓の脇に束ねれば大きく膨らむので、その影にボールを置いた。
私はパジャマを着て、裾を窓枠にひっかけないように、膝上まで捲りあげていた。
東から出る月を拝むためだったろうか。
私はおもむろに腰高の東窓を開けて、勢い良く足から外に出た。

わあっ?!
(待て! 騒ぐな。)
...どっかから声が聞こえたような気がした。

「やっぱ誰かいる? 月夜だから狐かと思ったけど狸かなあ。」

...

庭に誰かがいる気配はない。

やっぱり月夜といえば、裸踊りだなー(?!)
気持ちいいぞー(?)

おかしい。
私は大人じゃない。
ってことは、日本昔話のようにお酒にも酔っていない。
なのになんで化かされなきゃいけないんだ。
私は狸にも狐にも意地悪した覚えはないのにな??

しかもすっぽんぽんじゃ踊りなんか踊れないぞ?
狸じゃあるまいし。
でも言うこと聞かないとひどい目にあうかな?
う~ん。

外に出たときのように前を向いたまま、後転の要領で室内に戻った。
窓の下にはベッドがある。
そこにかけておいたバスタオルを巻いてパジャマだけ脱いでみた。
もう1回外にでた。

でたっっ!
ほーら、きもちいいぞー。
おしっこなんかしちゃうともっと気持ちいいぞ?

おしっこぉ??
...おかしいなあ??
後ろ手でコップを持って、足元にめがけて水をかけてみる。
冬でなくて良かった。

ボタボタ....

「わーーー!!!」

やっぱりそこには狸でも狐でもなく人がいた。
声のした場所は、庭の向こうの道路だった。
月夜とはいえ人影や車の形はわかるけど顔は見えない。

子供と大人とがいた。
誤解のないようにコップとボールを見せて、ボールの水をざっっと空けて見せた。

「おしっこかと思った...」
子供の声が聞こえた。
大人と子供と目が合った。

「狐の親子さん、こんばんは。ちゃんと出てきたし、言うこと聞いたからもういたずらしないでね。」

カチャ..カチン

音が出るように、それぞれの容器を重ねて深々とお辞儀をさせていただいた。

「狐じゃない! 俺はただ☆◎△...!!」
子狐君は何かお話があったらしい。

何かおめでたいことがあったらしい。
あんまり不思議な訪問だったので本物の狐かと思っちゃった。
だってこの辺、狐もイタチもいるんだもん。
おまげにこんな良い月夜だったから。
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