Mostly, this is diary.
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
東京へ連れて行ってもらった。
当時、親戚はいるものの東京へはほとんど行ったことがなかった。
幼稚園の頃と東京の思い出といえば...
ホテルニューオータニーの展望レストランにお食事に行って、レストランが回転していたのではしゃいでいたら白人のおばちゃんと目が合って、ハローといわれて答えようがなくて逃げた。
小学校の頃と東京の思い出といえば...
国会議員だった叔父の手配で学校のような真新しい議員宿舎に家族で泊まった。
水銀灯に照らし出された夜の建物は学校そのものだった。

なんだかはっきりしない東京の思い出といえば...
ちょっと定かでない記憶。
母方の祖父に東京に連れて行ってもらった。
1978年2月24日、祖父は大腸ガンで亡くなっている。
国立がんセンターなどで闘病していた記憶があるから、連れて行っても
らったなら小学生以下の時の記憶だと思われる。
あるいはぎりぎり小学校1年生になっていたんだろうか?
幼稚園に通っていた年齢なら3才当時入園していなかったので、私は4才か5才。

なんだか誰かに繰り返し東京に来るようせがまれたような気がして。どうしても東京に行きたかった。
来てほしいって言われた気がした。

旅費はどうしたらいい?
お父さんやお母さんは絶対一緒に行ってくれないし。
おじいちゃんもおばあちゃんも働いてないし。

じゃあ、おじいちゃんは?
おじいちゃんは年金もらってるから、東京行きたいっておじいちゃんに言え(?)
だ、誰の入れ知恵だ、これ?!

おじいちゃん働いてないし。
じゃあ、まあ、おじいちゃんに連れてってて言ってみる。
それでだめだったらあきらめるし、良いって言ったらいく。

よし。

私鉄の駅から出ると雑多なビルの間を抜けて、道路の上を走る高速道路の下を通った。

あれは杉並か世田谷あたりのだったのだろうか。
駅からずいぶん離れた場所にあった。
バスに乗っていったのか、タクシーで行ったのか...
暑い季節ではなかった。

目的地であるその場所についたら子供がいた。
あたかも子供は私が来ることを知っていたかのようだった。

「やっぱり来た。」
そういわれた。

不思議そうな面持ちで立っている子供のお父さんとお爺ちゃん。
大人の話がしやすいように気を使った。

あっちに行って見ようか?
と子供に声を掛けて北側に一緒に走っていったこと。
その子は2つ下なのに私の前を走っていく。
健脚。

「ほら、俺足速いよ!」

「ほんとだ。すごいねぇ。」

子供のお母さんが、危ないわよ~走らないで、と心配そうに声を掛ける。

「じゃあ、歩こうか?」

「...うん。」

「じゃあ、早く歩こう。」

「うん。」

道の突き当りには白いタイルで飾られた瀟洒な集合住宅が建っていた。
カタカナの変わった名前。

「いい建物だね...これは...」
そういいながら、建物と建物の名前を見たことを覚えている。

「俺知ってる! ぞうさんのゾだぞ?」
自慢げに子供はいう。

「そうだね。ゾウ.....で始まるね。偉いね、読めるんだ。」

「うん。気に入った? こういうのに住みたい?俺買ってやるよ?」

「ん? うん。大人になったらね。」
なんだか、少し寂しい思いがよぎった。
大人になったらこの少年もお金に物を言わせて欲しい物を欲しいままに買うような大人になるんだろうか?
それに順風満帆にお金持ちになるんだろうか?
何か心配事があった気がする。

「でもね、無理しなくいいんだよ。立派なお家があるじゃない? あのお家大事にしなきゃ。」

「大丈夫。」

「そう? じゃ、いいや。」

「じゃあ、俺と住むんだな? こういうところに。」

「え...うん。」
そう言われてもなぁ...

「約束だぞ!」

「...うん。」
押しが強いなあ。

「うんしか言わないのか?」

「ううん?」
親譲りなのかな?

「よし。」

「ゆびきりげんまん嘘ついたらハリセンボンの~ます。指切った!」

「わーい!本気にしたぁっ。」
なんだ。
冗談か。
少年は大人の方へ駆け出した。

「...怒ったのか?」
少年はお父さんの影から顔をのぞかせながら私の様子をうががう。

「全然。」
むかついたけど、こんなことどうでも良いや。
本当に大事な用事は他にもあるんだ。

「いいんだ。俺は良いんだ。だって俺は...」

「あっそ! よかったね。」

「?」
少年はなんだか不安気にお父さんを見上げていった。

「今日はそういうお話に来たんじゃないんだ。ちょっと黙ってて。」

「なんだとぉ?」
少年はお父さんの後ろで顔を赤くして怒る。

嘘つきのお相手はできません。
叔父さんのお仕事は舞台のお仕事だと聞いた。
演目やタイトルなどのお話をしたように思うが、私が子供なので大人に話すように詳しくは話してもらえなかった。
主役が貼れるようになってね、などといって雷様のお話や弁慶の話を聞いたと思う。

「なるかみ?...って、かみなり様のこと?」

「まあ、そうだな。雷様になるんだから。」

叔父さんのお仕事きっといつかみたいと約束をしたように思う。
どこかにぬぐえない不安感があって、でも約束は守ってもらわなきゃ...そうお話してその日は帰ったと思う。

特にどこかに寄るわけでもなく。
祖母や母は一体何をしに東京にいったのかと、祖父に問い詰めていたが祖父はちょっとお芝居を見に行ったと答えていたと思う。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。